社内でのAsana利用が進んできたので、一部のメンバーだけで有料プランを試してみたい。
そんなとき、Asanaは一部のチームだけを有料プランにアップグレードさせることで、同じ組織のなかで有料チームと無料チームを混在させることができます。これがとても便利な一方で、いくつか注意点があります。
この投稿では、チームプランを使って有料・無料プランを混在させるときに気をつけるべき点と、うっかり課金を回避するためのTipsをご紹介します。
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以前の記事(有料プランへアップグレードしようと思うと浮かぶ疑問への回答まとめ)で解説したように、Asanaの有料プランは、ユーザー単位ではなく、チームや組織単位に適用されます。
(引用は上記記事から)
ただし、ここで注意してほしいのは、アップグレードしたときにAsanaの有料プランになるのは、ユーザー単位ではなくチーム単位だという点です。
ライセンス料はユーザー単位なので、つい「有料ユーザー」と「無料ユーザー」がいるように考えてしまいがちですが、そうではないのです。
正確には**「有料チームに所属するメンバー」と「無料チームに所属するメンバー」**に分かれます。これが、このあと説明する「気をつけるべき点」につながってくる大事なところ。
まずは一部のメンバーだけで有料プランを試してみたいとき、Asanaでは一部のチームだけを有料プランにアップグレードさせることで、同じ組織のなかで有料チームと無料チームを混在させることができます。
有料プランの機能を使うには組織丸ごとアップグレードしないといけないことが多いITツールと比べて、とても親切な設計ですし、便利な機能です。
ところが、実際に運用してみようと思うと、なかなか厄介な問題が出てきます。
有料プランにアップグレードしたチームに所属するメンバーは、有料機能が使えます。Asanaの有料機能の大半はプロジェクトに紐づくものですから、有料プランになったチームの中に作ったプロジェクトでは有料機能が使えることになります。ところが同じユーザーでも、別のチーム(無料プランのチーム)のプロジェクトでは有料機能は使えません。
ここがわかりにくい。
アッチでは使える機能がコッチでは使えないのなんで?!となりやすい。
これがなぜ起きやすいかというと3つポイントがあります。
ポイント1:有料・無料チームを見分ける方法はない
たとえば、このように複数のチームを作って、その一部を有料チームにしたとしても、それをユーザーが判別する方法はありません。ポイント2:あるメンバーが有料・無料チームのどちらに属しているかをパッと見分ける方法はない
タスク画面で「担当者」や「コラボレーター」に追加しようとしたときに、その人が「有料チームメンバー」なのか「無料チームメンバー」なのかを判別する方法はありません。プロフィール画面にいけば、どのチームに所属しているかはわかりますが、かといってポイント1の制約があるので、有料チームメンバーなのかどうかはわかりません。
ポイント3:プロジェクトが有料・無料チームのどちらに属しているかをパッと見分ける方法はない
あるプロジェクトに担当者やコラボレーターとして招待されたとします。ユーザーとしては、そのプロジェクトが有料チーム内にあるのか、無料チーム内にあるのかを、パッと見分けることはできません。
プロジェクトの詳細を見たり、サイドバーを見れば、どのチームに属するプロジェクトなのかはわかりますが、やはりポイント1の制約により、それが有料か無料かはわかりません。
これがどういうときに困るかというと、
【超重要】注意点:無料チームに所属しているメンバーを、有料チーム内のプロジェクトに招待すると、有料チームメンバーとして課金されてしまう
そうなんです。
うっかり無料チームのメンバーを、有料チームのプロジェクトに「招待」したり「参加」されたりしてしまうと、そのメンバー分の料金が掛かってしまうのです。そして、招待したメンバーも参加したメンバーもそのことにまったく気づきません(特にアラートは出ない)。
これではライセンス管理がしにくくて、困りますよね。
どうすればいいのでしょう?
ここで使えるポイントが2つあります。
ポイント4:有料チームや有料チーム内のプロジェクトに参加していなくても、無料チームメンバーからそれらのプロジェクトやタスクはすべて見える(チームを組織に公開し、プロジェクトをチームに公開していれば)
ポイント5:プロジェクトに招待しなくても、無料チームメンバーをタスクの担当者やコラボレーターにすることはできる。この場合、無料チームメンバーは課金されない【超重要】
この2点を利用して、
無料チームメンバーと協業するときは「プロジェクトへの招待・参加」ではなく、「タスクへの割り当て」で対応する、という運用ルールをつくる。
これによって、無料チームのメンバーであっても、有料チームのプロジェクトで協業することができるのです。これを知っているだけで、回避できるケースは多いと思います。
ですがそうは言っても、この手の「覚えておいてね」という社員の記憶に頼る運用ルールだけでは「ついうっかり」が起きやすいのも事実。そこで、上記運用をスムーズに回すための設定Tipsをご紹介します。
おススメ設定1:そもそも他部門・チームとの協業が不要なプロジェクトは「承認制チーム」に置く
そもそもですが、有料チームのプロジェクトに無料チームメンバーが入らないようにしたいのであれば、見えないようにしてしまうのが手っ取り早いです。そして、下で説明する設定4によって、メンバーによる間違った招待を防ぐのが一番効果的です。
ただし、この設定にした場合、上記ポイント4は実現できなくなり、割り当てられたタスクだけが見える(他のタスクやプロジェクト全体は見えない)ようになるのでご注意ください。
実際には、無料チームメンバーとの協業があちこちで発生する場合の方が多いでしょう。
完璧ではないまでも、いくつかの設定をしておくことで、うっかりが回避できます。
おススメ設定2:有料チームのチーム管理者になり、高度な設定をしておく。
下の設定3を他の人が変更できないよう、チームの管理者になり、高度な設定をしておきましょう。
編集権限を「チーム管理者のみ」にし、削除もONにしておきます。また、間違って無料チームのメンバーが有料チームに招待・参加されてしまった場合もすぐに削除できます。
なお残念ながら、チームのプライバシータイプを「承認制」にすると、上記ポイント4が実現できないため、チームは「組織に公開」にしておきます。ボタンひとつでチームに参加できてしまい、管理者にも通知されないため不安ではありますが、チーム名の付け方などで乗り切りましょう!
どちらかと言うと、プロジェクトへの「参加」の方が発生しやすいと思うので、それは設定3と4で対処します。
おススメ設定3:有料チームとその中のプロジェクト名の頭に絵文字を入れる。
有料チームと無料チームを判別できるように絵文字を入れておきましょう。
プロジェクト名全部に絵文字をつけると見づらい場合は、プロジェクトアイコンやプロジェクトカラーでもいいかもしれません(アイコンはリストだとわからないけど、チーム名の下にあるので判別できる)。
なお、有料マークとしては💰がわかりやすいですが、次の設定4との兼ね合いから🌟とか🏅とかにしておくことをおススメします。
設定4:さらに、その有料チームに所属するメンバーのプロフィール(名前)の頭にも同じ絵文字を入れておく。
これで、有料チームのプロジェクトにうっかり無料チームメンバーを招待してしまうことを防げますし、承認制チームのプロジェクトのタスクに割り当てるときも(あ、この人には他のタスク見えてないんだよな)と意識できるようになります。
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チームプランを使って有料・無料プランを混在させるときの注意点、特にうっかり課金されてしまうのを回避するためのTipsをご紹介しました。本当はこんなややこしいことを考えず、マルっと上位プランにするのが理想なのは言うまでもありません。けれど、そうもいかないことも多々あるので、無理やり考えだした回避策と捉えてください。完璧な解決策とはほど遠いですが、なにかの参考になれば幸いです。
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