Asana の新しさを理解するためのキーワード

こんにちは。Asana Ambassador の櫻井と申します。

Asana のウェブサイトやマーケティング資料にあるキーワードを参考に、「Asana は何がすごいのか」を考えてみました。皆さんにとっての Asana の良さとは何かも考えていただき、コメント欄からシェアしていただけると嬉しいです。

Asana を初めて使ったときの、真っ白な紙が目の前にあるような、自分は考え方次第でここで何でもできるんだというワクワクした気持ちを今でも覚えています。シンプルな階層構造であらゆるデータノードを表現できる柔軟性や、すべてがリアルタイムに保存されて反映されるという UX から、「これはただの To-Do リストツールではなく、すべてを変えるような革新的なツールだ」と思いました。

Asana ブログWavelength を 5 年ほど読み続けて、この確信は強くなるばかりです。Asana は、新しい次元の使いやすいインターフェイスを提供するとともに、新しいコンセプトと既存のベストプラクティスの両方を取り入れたシステムだと思います。Asana を導入するということは、「新しい働き方」を取り入れることでもあります。

どのツールを導入するか検討するときに、機能を比較する必要があるのはもちろんですが、Asana はどのような理念や設計思想で作られているのかに思いをはせる一助になれば幸いです。

■ Asana 公式用語編

● Work graph (ワークグラフ)

Asana 登場以前は単純なリスト構造でしか扱えなかった仕事を、グラフ (ネットワーク) で模式化したもの。Facebook が人と人の関係を表す「ソーシャルグラフ」であるのに対し、Asana は仕事同士の関係を表す「ワークグラフ」である。Asana が公式にこの用語を前面に押し出すことはないが、私はこの動画を見て、「Asana がなぜこれほどまでに柔軟なのか」がはっきりとわかった。

Asana では仕事をどのようなデータ構造で表すのかが一から考えられている。タスクをサブタスクに分割でき、@メンションで他のタスクやメンバーへのリンクを簡単に張れる。すべてのノードが Actionable (実行可能) であり、会話、参照資料、そして実際の仕事が 1 か所にまとまる。紙、To-Do リスト、メールは、実際の仕事とは切り離された、仕事の名前を書いたリストにすぎない。

つまり、Asana はただ仕事の管理の仕方をアップデートしているというより、情報を実際の姿に近い形で視覚化し、民主化するという大きな変化をもたらしているといえる。Multi-homing (複数プロジェクトへの追加) という考え方も重要。仕事は多くのノードに関係することが多く、1 つのカテゴリーにだけ分類されることは少ないが、従来の「フォルダー」のような階層構造では、それを表現することが難しい。

● Team Brain (チームの脳)

サイロ化を取り払い、仕事の履歴を集合知にする。メールやチャットツールとは 2 つの大きな違いがある。

  • 普段は自分に関係のある情報だけを得られる (メールでは自分に関係ないものが延々と CC されることがある)
  • その一方で、必要なときに他のタスクや会話の内容を見に行ける (メールでは自分に届いていないメッセージを見ることは困難)

A single source of truth (信頼できる唯一の情報源) を作るという言い方がされることも多い。「この情報どこにあったっけ」という状況はストレスが溜まる。「ここさえ見れば情報が見つかる。ここになければその情報は存在しない。」という「ポケット一つ原則」に通じるものがある。

● Area of responsibility (責任範囲)

Asana の「1 タスクの担当者は 1 人」という原則の根拠になっている考え方。「誰か他の人がやるだろう」という状態を回避し、スピーディーに仕事を進めることができる。

Asana では、1 人 1 人の社員に責任範囲が割り当てられており、新入社員であっても自分の AoR の業務には最終決定権を持つ。これは、従業員に controllability (自分が仕事をコントロールしているという感覚) を与え、empowerment (権限を与えること) により自信を与える。

● Bottom-up (ボトムアップ)

Asana はトップが導入を決定することもあるが、何より現場の人が使いたくなるツールであり、ボトムアップの傾向も強い。Asana を導入する組織では、上司が部下に一方向に仕事を割り当てるという関係から、チームメンバーというフラットな構造に変化し、部下が上司にタスクを割り当てることも普通のことになる。

● Clarity (明確化、見える化)

何を目指して、誰が、いつまでに、何をするのか、という「目的」と「責任」の明確化。Asana では、タスクの担当者、期日、説明、プロジェクトや他のタスクとの関係から、5W1H のすべてがわかる。

Why は、Pyramid of Clarity からも明確になる。何のためにするのかを知ることで、モチベーションが向上する。Asana でも最初はそれを明確にできていなかったという記事が興味深い。

● Speed and Structure (スピードと構造)

Asana は仕事を直接扱うための構造化に加えて、使いたくなるような快適な動作を兼ね備えている。これは創業当初から変わっていない。さらに、2015年の Redesign では、カラフルでかわいらしい Asana へと進化し、Asana の見やすさや使用体験が向上した。

● Work about work (仕事のための仕事)

スポーツで練習自体が目的化していることを「練習のための練習」と言うのと同様に、仕事や作業が目的化してしまっていることを指す言葉。仕事を上手に管理できないと、情報を探すことに多くの時間を取られ、ストレスを感じる。最近の調査で、仕事の時間の 6 割はこのような作業に費やされていることがわかった。

● Asana のミッション

Help humanity thrive by enabling the world’s teams to work together effortlessly
(世界のチームが容易に協力しあえるようにし、人々の豊かな未来に貢献する)

Facebook の創業者が社内ツールの Tasks を発展させて作った Asana。AoR などの新しい考え方と使いやすさを兼ね備え、チーム 1 人 1 人が存分に力を発揮できるようにすることで、世界中の素晴らしいチームが目標を達成し、世界をもっとよくできるようなコンセプトであり、ツールである。ここでは effortlessly がキーワードだと思う。Asana は本当に簡単に使えるし、Asana を使うと軽々と仕事を管理することができる。

Asana では、単なる「効率化」を目指すのではなく、do great things together (一緒に素晴らしいことを成し遂げる) を目指し、日々進化している。

■ その他の用語編

● ストックとフロー

Asana では、フロー的な情報であるタスクを扱えるのはもちろん、それが蓄積されて仕事の履歴というストックとなる。さらに、DNA の研究データ、ナレッジベースの記事、オフィスの在庫など、タスクを使ってさまざまなアイテムを表せる。仕事に留まらず、個人的な物事を管理するためにも Asana はとても役立つ。これを体感すると、

  • 「フローだけ」のツール (チャットやメール、一般的な To-Do リスト)
  • 「ストックだけ」のツール (ナレッジベースやファイルストレージ、メモ帳)

の存在意義は薄くなり、極論すれば、それらは Asana で代替可能であるとも言える。

● GTD (Getting things done)

Asana タスクはメモ帳感覚で書き出すことができ、しかも簡単に構造化できる。これは、頭の中を書き出して、思考をクリアにする場所として最適だ。

● フロー、マインドフルネス

「仕事のための仕事」を減らして実現したいのは、大切な仕事に集中すること。マイタスクリストで「今日」するタスクのリストだけを表示する、Asana 自体の通知を一定時間オフにするなど、Asana はこの思想を機能に落とし込んでいる。No meeting Wednesday やヨガなど、会社のカルチャーにもマインドフルネスは浸透しているようだ。

この投稿のタイトルに「Asana の新しさ」と書いたが、Asana (ヨガのポーズのこと) とは情報過多の現代社会で忘れてしまった人間本来の自然な生活を取り戻そうとする取り組みでもあるかもしれない。

● 成功体験

To-Do リストは一般的に長くなりすぎて、やり残したタスクの罪悪感を感じさせるものだと言われている。しかし、マイタスクを優先度 (今日/近日/後日) ごとに整理したり、Due time を設定してカレンダーでタスクを表示したりすることで、今日、どの時間に、どのような順番で仕事を進めるのかを考えることで、この問題に対処できる。

タスクを完了するときのカラフルな表示や、お祝いの動物たちも、タスクを完了する喜びにフォーカスさせてくれる。

● ワーキングメモリと認知負荷

「仕事のための仕事」では、仕事の名前とその内容を紐づけることで脳内メモリが占有されてしまう。仕事を管理しようとしてスプレッドシートやメールを使っても、仕事が楽になるどころか、複雑性が増してしまうことが往々にしてある。

IT が発達した時代に、人間らしい活動をするために、脳内メモリは大切な仕事に集中して使わないともったいない。Asana では、1 つ 1 つの仕事のピースが明確になり、1 か所で仕事に集中して取り組める。

● チェンジマネジメント

Asana は柔軟に使える反面、何から手をつければいいのかわからないという感情が芽生えることもある。たとえば、Asana でタスクを分類するためには、プロジェクト、セクション、タグ、カスタムフィールド、色分けなど、さまざまな方法を使える。Asana では何ができるのか、何を目的にして、どのような方法で Asana を使うのか、他のツールとはどのように使い分けるのかを明確に決めた方がよいと思う。

上司やプロジェクトマネージャーだけではなく、チームメンバー全員が仕事のアイテムを直接触って変更できるようになるなど、Asana が働き方に与える影響も大きい。人間にはどうしても変化に抵抗する性質があるので、チェンジマネジメントの手法も必要になる。拙記事: https://forum.asana.com/t/asana/45995。

● ベストプラクティス

Asana の使い方は会社によっても、チームによっても、人によっても違う。ここ Asana コミュニティフォーラムや、Asana のイベントは、他のチームでの使い方を知り、ヒントを得るための素晴らしい場所だと思う。

一方、対応が終わった受信トレイの通知はアーカイブして「インボックスゼロ」を実現することなど、誰にでもお勧めできるコツも多い。コミュニティメンバーの認定プロから、Asana のプロのアドバイスを受けることができる。

あとがき

僕はおそらく小さい頃にワーキングメモリが弱く、一度に多くの情報を頭に留められませんでした。小学校低学年までの自分は、片付けられない、勉強もできない、ADHD 的な性質の強い子供で、自己嫌悪に陥っていました。

あるとき、親に買ってもらった学習漫画のおかげで初めて「方法」について考えることができました。それ以来、整理術、勉強法、仕事術を積極的に調べて、「能力が低くても、適切な方法を知れば、自分にもできる」ということが大きな自信になりました。

自分にとって、デジタルツールとは、自分の能力を生かしてくれる恩人のようなものです。その中でも Asana は、出会ったときから一際強い輝きを放ち、自分を新しい世界へと導いてくれる存在でした。Asana のケーススタディを読むとよく書いてあることですが、もはや Asana のない生活は想像できません。

Asana のよさを発信したいと思い、アンバサダーになりました。まずは work-graph.jp というサイトで Asana 関連の動画や記事を翻訳して、Asana の理念を紹介しようとし、今は Asana のローカライズのサポートに集中してます。

Asana がまったく新しい存在であることははっきりと感じていたものの、最近になるまで、Asana の良さをなかなか言語化できませんでした。いくつもの要素が組み合わさっているから、一言で説明できるものではなかったのです。今回、この記事を書くのは自分の考えをまとめるためにも役立ちました。

すでに Asana をよくご存知の方にも何か新しい発見があるように、いろいろな記事や動画へのリンクを散りばめました。

5 Likes

この記事を書いたあとで 1 週間仕事をしていく中でさらに気がついたことがあり、加筆修正しました。Asana の何が新しいのかをできるだけ明確に説明するようにし、さらにその新しさに対応するためのチェンジマネジメントとベストプラクティスについてのセクションを追加しました。
今週はチームメンバーに「Asana タスクの期日が間違っていたけれど、自分がメインの担当ではないので変更するのを躊躇してしまいました」と言われたことで、Asana オタクである自分と、普通の人の感覚の違いにも気がつきました。
今後も気づいたことがあれば、上記の投稿を更新していきます。

1 Like