営業案件をAsanaで管理する方法

この記事は、#AsanaTogetherJP Asana 2022Advent Calendarに参加しています。ほかにもいろんなAsanaにまつわる記事があるのでぜひ見てみてください。

2022年は個人的に大きな変化の1年でした。個人事業者からSaaS企業勤めとなって(仕事内容=CXのコンサル業は不変なのですが)仕事の進め方がガラリと変わり、Asanaの使い方が激変しました。 しばらくアワアワしていましたが次第に利用法が見えてきて 「Asanaってこんな風にも使えるのか。これいいかも!」という気付きがあった ので、そのことを書きたいと思います。


営業案件管理を2つのプロジェクトで!

わたしのAsana利用歴は長くて、2011年のβ版時代から。その頃からコンサル案件のタスク管理に利用してきました。小さな会社だったので案件獲得はわりと穏やかなペースで、同時稼働案件は多くても3〜4こ程度。1プロジェクトが長いので年間通算でも10〜15程度でした。 案件ごとにAsanaプロジェクトを立てて管理するのが便利でしたし、当然 と思って使ってきました。

ところが新しい職場では何人もの営業担当と連携して新規案件獲得の段から参加するスタイルに。日々複数の営業担当者が複数のクライアントに積極的にSaaS製品をプロモートする中で、CXの設計や運用のコンサルティングサービスが必要そうだと判断したとき、わたしに声がかかります。現場でCXコンサルを担当するのはわたし一人なので、その提案から合流するという流れになります。多い時で週3、4こ、同時多発的にやってきます。

最初は従来のスタイルで個別にAsanaプロジェクトを作って管理していましたがすぐに、 これはうまくいかなそう、と感じるようになりました。初回ミーティングで「コンサルを入れるまでは考えてない」なんてなったり、2週間足らずで不要となったりする案件も多いのです。都度プロジェクト名設定したりアーカイブしたり・・・タスク管理よりもプロジェクト設定の面倒の方が多くなるのは本末転倒ですよね。

プロジェクト立ち上げの単位

流動性の高い案件の場合──具体的には、立ち上げたプロジェクトが1ヶ月程度以上持続しないようなケースが複数発生する場合──プロジェクトの立て方の単位を再考したほうがいいと感じます。
では、本件の場合、どうすべきか?
案件数やどう情報を管理したいかという好みにもよると思うのですが、私の場合 「見込案件」と「契約案件」の2つのプロジェクトを作り、案件(クライアント)の区切りはセクションで管理する という方法で落ち着きました。

見込案件(CXM|Prospect)と契約案件(CXM|Consulting)を作成

プロジェクト利用の流れ

  • 「見込案件」プロジェクト内にセクション(クライアント名)を作成
  • クライアント案件ごとにメモやタスクを作成
  • 目標スケジュールはセクション内にマイルストーンとして設定
  • 契約締結後「契約案件」プロジェクトに一式移動

Asanaの仕様で、セクションごとプロジェクト間移動させることができないのが残念ポイントですが(タスクだけ選択して移動させることはできます)比較的簡単な手間で管理できます。


おすすめのタスク管理Tips

このスタイルでAsanaを利用する時の工夫をいくつか紹介します

1. 案件コード名をタスクの最初に記入

羽田空港はHND、成田空港はNRTのように、空港には空港コードという3文字の略称があります。この方法に倣って案件名(クライアント名)のコードを決めておき、タスクの最初の3文字にしておきます。こうすることでタスクひとつでもどこの所属なのかがわかる(マイタスク一覧でも一目瞭然)、@メンションで案件名を使う時に探しやすいなどのメリットがあります。コードと内容の間に全角縦線|を入れるスタイルが個人的なオススメ

タスク名記入例
◯ AAA|サーベイ設計のサポート
◯ BBB|キックオフ資料作成

2. プロジェクト名は英語&西暦記入

プロジェクト名も他のプロジェクト種類(たとえば社外案件と社内案件)を区別するためのコードを入れておくと便利です。
さらにプロジェクト名は英語表記にしておくと文字列タイプ検索時の候補表示スピードがアップするので苦手じゃなければ試してみましょう(日本語だと文字変換するひと手間が必要に)。
また、暦年を追加しておくことでプロジェクトの年次アーカイブが容易になるものと思われます(まだこれは試してないのですが、)。

プロジェクト名記入例
CXM|Consulting_2022
INT|NewServiceDev_2022

3. 会議メモもタスクとして残してゆく

クライアント対応の仕事では、未来のタスクだけでなく、提案時のミーティングメモ、契約後は定例ミーティングのメモなどもしっかり残しておかなくてはなりません。
既存のタスクの説明(Description)欄に記入してゆく、という方法もあるかと思いますが、ここはひとつシンプルにミーティングメモをタスクとして立ち上げる方法をオススメしたいと思います。担当者に自分を指定し、期日を記入日に、そしてミーティング終了時に「完了タスク」化しておきます。
12/13 追記: 案件管理のプロジェクト内のセクションの中にタスクやマイルストーンと並べてゆくイメージです。ミーティングメモは一目でわかるように「MTG」などの記号を入れておくのがよいんじゃないかな、と思います。)

ミーティングメモ名記入例
◉ AAA|MTG-22021007キックオフ
担当: 自分(記入者)に設定
期日: 記入した日に設定

今年2022年秋にAsanaの説明欄がバージョンアップされ、画像や動画ファイルのリンクなどリッチコンテンツの張り込みができるようになりました。これを使ってスクリーンショットなどを貼り付けるスタイルのメモ、おすすめです。オンライン会議中の資料などをスクリーンショットしてメモを加えると事後の理解も進みます。

オンライン会議といえばZoomのプラグインアプリでAsanaを使うと、会議画面に隣接した形でメモを書いたり、その画面をワンクリックで画面共有できたりしてとてもとても便利です。新しい職場になってミーティングのメモのほとんどはこの画面で作成した気がします。 アクションアイテムや質問アイテム記入欄がデフォルトで作られているのもとても便利。 新規タスク追加だけでなく既存タスクも呼び出して編集できます(その時タスク名に案件コードがあると検索が容易!)
ただしこのZoomのプラグインアプリからは説明欄にリッチコンテンツを挿入できない(テキスト記入だけ対応)ので注意が必要です。

zoomのプラグインでAsanaを利用するとこんな風景が広がります

4. 「すべてのタスク」表示+期日ソート

ここで紹介している方法でAsanaプロジェクトを使うと、タスクだけでなく案件のあらゆる情報がAsanaに集約されます。すべての案件の、すべてのタスクと会議メモ(完了済みタスク)が一覧できるので、「あの時どんな話してたっけ?」「どんな資料を共有してたっけ?」などを解決できるナレッジベースとして機能します。
デフォルトレイアウトを、リストビューの「すべてのタスク」表示(未完了タスク+完了したタスクどちらも表示する)+「期日によるソート」に 設定しておくと便利です。

三点マークから「レイアウトをデフォルトとして保存」を選択しておく

5.「残タスク一覧」プロジェクト

「見込案件」プロジェクトも「契約案件」プロジェクトも、すべてのタスクが表示されるモードにしておくと、ナレッジベースとしては便利なのですが、「残タスクだけ見たい」というシーンが出てきます。

マイタスクで見たらいいじゃん? という意見もあると思いますがわたしはクライアント案件だけで見られる一覧が欲しかったので、「見込案件」「契約案件」プロジェクトふたつの未完了タスクだけをまとめて閲覧できるプロジェクトを作りました。

  • 残タスク一覧プロジェクト(Incomplete TASKs)を作成
  • 未完了タスクのみ表示されるよう設定(期日ソートしてます)
  • 「見込案件」と「契約案件」のセクション、ProspectとBillableを設定
  • 「見込案件」プロジェクトにタスク追加時に自動的にこのプロジェクトに追加されるようルールを設定(「契約案件」プロジェクトも同様)

クライアント共有プロジェクトは?

「見込案件」「契約案件」「残タスク一覧」の各プロジェクトはさまざまなクライアント案件が並んで記述されているためクライアントと共有はできません。契約確定案件においてクライアントとAsanaプロジェクトを共有したい場合は、これらとは別に限定共有プロジェクトを作成してコラボに利用しています。

共有プロジェクトにはルールを設定を施してあり、自分にタスクがアサインされたら「契約案件」プロジェクトにもマルチホーミング(複数プロジェクト帰属)ようにしています。タスクの文脈が整理されて管理が楽になります。

クライアント共有プロジェクトに以下のルールを設定しておく
● タスクが自分に割り当てられた時
● 「契約案件」プロジェクトの「クライアント名」セクションに追加


こんな使い方ができたのか!のPoint

1.社内共有がラク!

案件ごとにプロジェクトを立てて運用する方法と今回の運用方法を比べた時、社内の共有にしやすさは圧倒的にこちらの方が上です。あらゆる案件がひとつのプロジェクト内にあるので、一度必要な人たちに共有しておけば都度の共有作業が不要に。 Asanaプロジェクトが複数あるのが「めんどう」と感じる方も少なくないので、運用上のメリットになっている気がします。

2.フロー情報がナレッジベースに

これまでもAsanaが情報集積に利用できる認識持っていましたが、ナレッジ情報専用のプロジェクトを立てて利用するもの、と考えていました。
ところがこの利用方法だと その日のフロー情報が近未来のストック情報として使えるんです。 クライアントとのコラボレーション案件は常に先方の状況や予定をインタビューしながら推進して構築されてゆくもの。と考えると、この利用方法は自然かつ合理的です。

3.zoomプラグイン素敵!

繰り返しになりますが、zoomで会議を進めるときzoomのAsanaプラグインはほんとうに使い勝手がいい! このはかどり具合に慣れてしまうと、わざわざ他のアプリに会議メモする気持ちが起こらなくなります(この時、既存のタスクを呼び出す便利さを実感するためにも案件コードなどタスク名の設定規則を整えておくとよいでしょう)
また逆にAasnaのzoomプラグインも秀逸。zoom会議のURLを入力すると、会議終了後に自動的に録画リンクを表示してくれる機能は「ありがてえ!」しかないです(自分がホストの時だけ限定)。

4.年度更新…予定ですが

案件管理プロジェクトは年が変わったら新たに立ててゆこうかと考えています。年をまたいで実行予定のあるものはマルチホーミングで運用し、どこかのタイミングで古いプロジェクトは利用しなくなるイメージ。
こういう「プロジェクトの区切り」づくり、やってみたかったけれどこれまでしたことがなかったので、楽しみにしています。

・・・という感じで取り留めなく書いてしまいましたが、来年もAsanaのお世話になりそうです。新機能もいろいろ出てくるようで楽しみにしてます!

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@Kenichi さん
素晴らしい知見ありがとうございます。
マルチホームを使うと色々なことができて便利ですよね。

質問なのですが、会議メモのタスクは案件管理のプロジェクトにメモ用のセクションを作って、そこにまとめているのでしょうか?
それとも、会議メモ用のプロジェクトを作り、そこでまとめているのでしょうか?

マルチホームを使うと両方実現できそうなので、そうされているのでしょうか?

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@Tetsuo_Kawakami さんご無沙汰しております!
会議メモ用のタスクは

[案件管理プロジェクト]

  • クライアントAのセクション
    ・タスク
    ・ミーティングメモ1007
    ・タスク

  • クライアントBのセクション
    ・タスク
    ・タスク
    ・ミーティングメモ1103
    ・ミーティングメモ1210

↑こんな感じでタスクと同列に並んで記述しています(書き終わったらすぐ「完了」に)。
実際にはそのメモ用タスクの中のサブタスクに宿題タスクが書かれており、
さらにそれらサブタスクは親プロジェクトに帰属させて。。。
という使い方をしていますが記事ではその点を省略しております。

「メモもタスクもごった煮!」
「ただし会議メモは名称ですぐわかるようにしておく」

という感じで運用しております

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