こんにちは、Asana Japanのカスタマーサクセスチームの刈屋です。今回は、Asanaのゴール機能について、私自身の実践を通じて感じたことを共有させていただきます。
ゴール機能、使っていますか?
皆さん、Asanaのゴール機能は使われていますか?
ゴールは使ってみたいというご相談をよくいただく一方で、なかなか本格的に運用に乗せるのが難しいもののトップ3に入っている機能だと個人的に思っています。ゴール機能の運用を難しくする要因としては、以下のようなものがあります。
1. 組織は複雑なものであり、組織の目標を構造化することが難しい
組織は様々な要素が相互作用するものであり、その目標を構造化して整理することが極めて困難なミッションです。Asanaに乗せていく前の段階で大変な時間がかかってしまうケースがあります。
2. 目標を立てるのが怖い
一度目標を立ててしまうと、それが達成できなかった場合の不安感や、撤回できないことへの怖れが発生してしまいます。そのため、目標を立てることを避けるようになります。
3. 目標の立て方と進捗の追い方がわからない
ゴール機能を使うには、目標を設定することと、進捗をトラックする方法を決める必要があります。これが定まらずに利用が始まらない。
このような要因から、ゴールを使ってみたいけど断念してしまったというお客様を沢山見てきました。恥ずかしながら、Asana社内でもステークホルダーの多い目標はなかなか設定が出来ず運用が軌道に乗らないということも実際ありました。
余談ですが、私自身、一度に数百人の人に通知の飛ぶ目標のオーナーになっていた時期があります。ステータス更新をするのは大変プレッシャーのかかるもので、投稿ボタンを押すのを拒む右手の人差し指を左手で上からおさえてようやく投稿したこともありました。特に達成を逃したゴールのアップデートは、グローバルからどんな質問が飛んでくるのか怯えながら恐る恐る投稿したことを鮮明に覚えています。
とは言っても、Asanaのゴール機能はとても良いものだと思っています。目標を立てる、そしてそれに向かったアクションをとる、その結果予定通りに目標が達成される。このシンプルなことが予定通りいけば理屈上は最強ですよね?でも、現実では遅れが発生するし、途中で投げ出したくなる。だからといって、ゴール地点がないとマラソンを走れないように、人は走り出せないものだと思います。
ですので、私はこの場を借りてゴール機能はもっと気軽に使ってしまいましょうということを皆様にお伝えしたいと思っています。
実践例1:目標数値がないなら数値化してしまおう
今年、光栄なことに入社したメンバーのメンターを務めさせていただく機会があって、その中でゴール機能を活用してみました。
Asana社内では、オンボーディングのプロジェクトがあり、オンボーディングの完了状況はタスクの消化状況として確認が出来ます。しかしながら、新入社員が業務に加わるのに十分な自信がついたのかどうかは測りかねると思ったので、Asanaのゴール機能を活用することにしました。
ここでは、進捗をトラックするための数値がないので、無理やり数字にしてしまうことにしました。やり方は、以下のような方法です。
- オンボーディング期間中にどういう状態を目指したいかを新入社員に決めてもらう
- 目指した状態に到達した地点を100%として、毎週の金曜日に何%まで来ているか教えてもらう
- 100%に近づくために何が足りていないのか、メンターとして必要なサポートについて話し合う
- 必要なアクションをタスク化してゴールに紐づけ、実行する
- 上記を繰り返してゴールを更新していく
(実際に使っていたゴールの進捗グラフ)
この試みの意図としては、決して100%に到達することが重要ではなく、オンボーディングの中で足りていない部分を明らかにして、それをアクションに繋げられるようにして、効果をモニターするというものでした。
例えば、関連部署との顔つなぎを追加のアクションとして実行しました。これは、正規のオンボーディングのプロジェクトでは内容が薄いことが1on1の中で分かったことによるもので、これの実施がスコアの上昇に大きく寄与しました。
今回、非常にシンプルな方法でスコアのトラッキングを行いましたが、より確立された方法でのトラッキングもできるのではないかと思っています。もし同じようにオンボーディングやキャリア開発の目的でゴール機能をお使いの方がいらっしゃったら、是非コメントなどでお聞かせいただけると嬉しいです。
実践例2:ゴールがあれば同じ方向を向ける
シンプルなものであっても、トラックできる数値があれば十分にゴール機能は活用できるという例をもう一つご紹介します。
今年は、使い方動画集というものを作成しました。これは、Asanaの使い方を紹介する動画コンテンツを一箇所にまとめたもので、グローバルで作成されているコンテンツに加えて日本のCSチームで用意した応用テクニック紹介動画が含まれています。
せっかくなので、何か簡単な目標を立てたいということで、ページのView数を定期的に確認し、ゴール機能を使ってトラッキングすることにしました。
ページの配布は、一斉送信のような形にはせず、各担当者の判断で必要な場面でお客様に案内をしていくという形をとりました。当初はどのくらいのView数になるものか見当がつかなかったので、大雑把な目標として10月1日からAsanaの会計年度の終わりの1月31日までの期間で1500という控えめな目標でスタートしました。
(ゴールを10月1日に作成して、10月10日の時点でView数が951まで到達したので、すぐに目標数値を3000にまで引き上げました)
徐々にお客様に案内してくれる社内のメンバーも増え、お客様からのポジティブなお声もいただけるようになりました。また、お客様からのフィードバックや社内の声をもとに改善とコンテンツの追加を行い、増加ペースが加速していった結果、12月5日に期限としていた1月31日よりも前倒しで目標の3000 Viewを達成することができました。
(目標達成時の画面)
3000 viewがまだまだ控えめな目標であったので、Asana AIにStretch Goal(少し背伸びをした目標)を聞いてみました。このゴールをAIチャットで@メンションして、目標について質問をします。
(AsanaのAIチャットに次の目標について相談。ゴールを@メンションすれば見に行ってくれるので便利)
これまでの増加率を踏まえて5200 Viewを提案してくれたので、今はこれを目標として取り組みを続けています。
この取り組みの始め方のまとめです。
- 何かしらの進捗を捉えられる数値を選ぶ
- 大まかな目標数字を立てる
- Asanaのゴールに入れて、関係者をコラボレーターに追加する
- 定期的に数値の進捗を追う&ステータス更新を上げる
- 目標の見直しが必要であればAsanaのAIチャットに相談する
この取り組みを通して得られた気づき
ゴールの進捗はモチベーションになる
単純に数値的な進捗が見えることは強いモチベーションにつながりました。目標の担当者がステータス更新で進捗状況を共有することで、目標のコラボレーターのチームメイトはゴールがアクティブであることを意識することができ、日々の活動の中にもアクションとして取り込まれるようになりました。
自然と改善活動に繋がる
目標のコメント欄で会話をする中で「目標を達成するにはこうすると良いのでは」というアイデアや議論が自然と発生しました。
(ゴールのコメント欄での会話の様子)
小さく速く始めることが大事
この取り組みは、チームMTGで簡単な合意を取るだけですぐに開始しました。計画することに時間を費やさず、出来るだけ早くプロトタイプとして最低限のものを展開する、そして反響を見て修正をする。このフィードバックループを出来るだけ高速かつシンプルにすることを心がけました。
この動画集のView数トラッキングを通じて、ゴールの本質的な価値を実感しました。それは、数値目標の達成そのものよりも、チーム全体が同じ方向を向いて動き出すきっかけになるということです。ゴールを立てることで、バラバラだった個々の活動が一つの目標に向かって有機的に繋がり、メンバー同士の自然な協力関係が生まれました。そして何より、目標を達成する喜びをチームで共有できたことが、次の挑戦へのエネルギーになっています。
終わりに:ゴールはええかげんでええんよ
私事になりますが、私は我が家の料理係として365日ほぼ毎日台所に立っています。簡単なものでも出来るだけ季節の新鮮な食材を使って手作りすることを心がけているのですが、どうしても疲れを感じる時があって、そんな時はいつも料理研究家の土井善晴さんの考え方に救われています。
土井さんの言葉に「料理はええかげんでええんよ」というものがあります。これは家庭料理は完璧でなくていい、手の込んだ献立でなくてもいい、一汁一菜のようなシンプルでちょうどよい塩梅のものでいいという文脈の言葉なのですが、私はこれに倣って「ゴールはええかげんでええんよ」と言ってしまいたいと思います。
もちろん、ええ加減じゃだめな目標はあります。それはそれとして、そこまで重くはないけどチャレンジしてみたい目標や、なかなか取りかかれない事柄って沢山あるのではないかと思います。そんな時は逆算して考えてみましょう。目標を立てる時に実現したいことは成果であって、聞こえや見栄えの良い理路整然と書かれたゴールではないはずです。そして、目標達成に必要なことは達成のために必要なアクションを速やかに行うことのはずです。
もうすぐやってくる2026年に向けて、まずは「ええ加減」な目標をAsanaのゴール機能で立てて、気軽に追いかけてみませんか?
皆さんのゴール活用事例もぜひコメントで教えてください。一緒に学び合えることを楽しみにしています。




