Asana をチームに導入するときにおすすめの本:『スイッチ!』

この投稿は Recommended book for introducing Asana to team: "Switch" を翻訳して加筆修正したものです。

チップ・ハースとダン・ハースの共著、『スイッチ! - 「変われない」を変える方法』という本を紹介します (いくつか版が出ていますが、Kindle 版のある URL をリンクしておきます)。
2016 年、自分のチームに Asana を導入する前にこの本を読みました。

問題
チームに Asana を導入するということは、とても大きな変化です。人間には、変化に抵抗しようとする自然な傾向があります。
ですから、Asana をチームに導入しようとするとき、チームメンバーが乗り気にならないということが往々にしてあります。これは、メンバーのやる気がないとか、そういったことではありません。変化を起こすときには、念頭に置いておくべき大事なポイントがあるのです。問題は大きくて複雑に見えますが、単純な原則に従うことで、解決方法を見つけることができます。

この本が教えてくれること
著者は、変化に抵抗しようとする人間の性質と、その課題を克服するための方法について、明確に説明しています。象使い (脳の理性的な部分) と象 (脳の感情的な部分) の例えで説明されます。象使いは変化によってもたらされるメリットを理解するのは上手ですが、象使い 1 人では大変な移行期間を乗り越えることができません。象は、動き始めは遅いのですが、ひとたび適切に導かれたら、変化を続けていく勢いを持っています。脳の両方の側面を考えることが大切なのです。

※ ダニエル・カーネマン著「ファスト&スロー」で「システム1」と呼ばれるのが象、「システム2」と呼ばれるのが象使いです。

変更を容易にするためには、3 つの主要なポイントがあります。

  1. 象使いに方向を与える: 具体的な行動を教えて、迷いをなくす
  2. 象にやる気を与える: 感情を芽生えさせる
  3. 道筋を定める: 障害を減らして、環境を変えて、習慣化させる

これらのポイントがそのまま生かせました。事前にこれらを知っておくことで、障害を予測でき、問題にどのように対処すればよいかわかっていたので、自信を持って Asana の導入を進めることができました。
この本のもう 1 つのよいところは、ほんの小さなトリガーによって大規模な変更が可能になった例が、数多く掲載されていることです。それらのストーリーを読むことで、勇気づけられました。

以下に、私の作戦を具体的に説明しておきます。

長いので折りたたみました。読むには三角印をクリックしてください。

背景: 私は翻訳会社に勤務していて、私のチームには 1 日に約 20 件の依頼があります。

既存のワークフローでは、Google スプレッドシート、メール、Skype、オフラインのファイルを使用していたため、情報があちこちに分断されていました (Asana のマーケティング資料でよく出てくる “everything is in one place” の対極の状態です。前職で Asana を使っていたので、メールを中心としたワークフローは効率が悪く感じました)。タスク、コミュニケーション、参照資料を 1 か所にまとめるために、Asana を導入しました。

  1. 象使いに方向を与える: 具体的な行動を教えて、迷いをなくす

Asana を使用した新しいワークフローについて、スクリーンショットや図表を使って、できるだけ明確に、ステップバイステップに書いたマニュアルを作成しました。
上司と相談して、Asana を 1 か月間試して、その後、Asana を使い続けるか、古いワークフローに戻すかを決定することにしました。1 か月後にアンケートを取ると、嬉しいことにチームメンバー全員が Asana を使い続けることに同意してくれました。

  1. 象にやる気を与える: 感情を芽生えさせる

既存のワークフローがいかに非効率的であり、Asana を導入するとどのように改善するかを力説しました。
ちょうど Asana の再デザイン後だったので、そのモダンできれいなインターフェイスも、感情に訴えかける上で効果的だったと思います。

  1. 道筋を定める: 障害を減らして、環境を変えて、習慣化させる

アンケートやトレーニングを実施し、質問にはできるだけ早く答えるように心がけました (導入する人が Asana の基本から応用までよく知っておくことが大事だと思います)。@paulminors のトレーニングに参加した経験から、よくある「落とし穴」にはまらないためのアドバイスを定期的に送りました (例: 受信トレイの通知で対応が終わったものはアーカイブしましょう)。
また、ワークロードを計算して、タグを追加して、(翻訳 + レビューの) サブタスクを追加する作業を半自動化するために、Python と Asana API を使った単純なツールを作成しました。面倒な手作業はなるべく減らして、ワークフローをできるだけ簡単にしようとしました。

参考
Asana ガイドには、オンボーディングに役立つ具体的な情報がよくまとまっています。
https://asana.com/ja/guide/team/onboard/change-management-strategyAsana

Asana コミュニティの以下の投稿や、“Team Onboarding” カテゴリーのその他のトピックも役に立つ情報です。

Asana を導入するために有効なリソースやアイデアについて、ぜひ皆さんのお考えもお聞かせください。

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